Vol.24 育毛に霊験あらたか 髪授神祠(香川県高松市)

 

髪授神祠(中央)、左は毛魂碑

 香川県高松市の氏神(同じ地域に住む人々が共同で祀る神道の神のこと)である石瀬尾八幡宮の境内にある鉢穴神社横の髪授神祠は、毛髪にご利益があるということで知られている。
 昭和31年4月に建立された祠には、理容の業祖である北小路采女亮藤原政之と八百万の神々の中で髪を授ける神とされる飽昨能宇斯神が祀られており、髪授神祠の横には切り取った毛髪の供養を行う毛魂碑がある。
 地元の香川県組合では、毎年11月の最終月曜日に二柱の祠周辺を清掃し、業界の隆盛を祈願するお祭りとして、髪授神祠大祭を行っており、当日は組合員数十人で近辺の掃除をし、清めを行ってから祭事をする。地元組合に大切に守られている祠だが、取材中には、理容関係者以外にも参拝客が訪れ、地域との調和が図られている様子が伺えた。
 説明看板には「乳児の初毛をお供えするとその子は一生美髪に恵まれ、若禿、白髪の防止、体毛の発育に霊験あらたか」と分かりやすいご利益がうたわれており、宮司の松田和雄氏さんは、「最近のパワースポットブームと相まって、みどりの黒髪に憧れる若い女性の参拝者も増えています」と語っている。

松田宮司

 八幡宮を通りすぎた、裏の細長い道をさらに奥に進んだ場所に鎮座する髪授神祠。堂々たる本殿とは対照的に、山奥にひっそりと佇むという雰囲気であるが、それがかえって趣を醸し出し、穴場スポットとして雑誌やネットで紹介される要因となっているようだ。

 

 

 

 

 

道の奥で鎮座する祠

 

●髪授神祠
住所:香川県高松市宮脇町1-30-3
TEL 087-862-5846
交通:JR高徳線・栗林公園北口駅下車

 

 

 

 

 

(理楽TIMES H23.8.1付 No.431掲載)

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