Vol.2 根津英和さん(京都)~中国業界との国際親善に貢献

 

技術交流で日中国際親善に貢献した根津英和さん

 今年8月、OMC(世界理美容機構)主催のアジア・カップが中国・北京で開催される。そのホスト国である中国の美髪美容協会が中国大使館を通じて、世界大会種目やカラーリングなどの強化トレーニングのために、中国ナショナルチームのトレーナーとして優秀な理容師を派遣してほしいという要請を発した。それを受けて全理連から派遣されたのが、京都府組合員でこの4月から全理連中央講師に就任した根津英和さん(41)。

  根津さんは、第45回全国大会で優勝した後、全理連ナショナルチームで活躍、1998年ソウル世界大会で銀メダル、2000年ベルリン大会で銅メダルを獲得した。今回の中国からの要請では、国際大会で実績のある人という条件がつけられていたことから、この実績が評価され、今回の訪中が実現した。

  根津さんのリポートによると、トレーニングは4月15日から22日までの8日間にわたり、カットやカラーなど実際の仕事に役立つ技術指導を中心に、音楽を流しながらなど工夫を凝らして行われたが、ビデオやパソコンを使用して分かりやすく進められたため、13名の参加選手たちには大変好評だった。しかし、8日間では教えられることも限られているので、今後のフォローとして、最新の国際大会の情報などを自身が開設しているホームページで紹介しながら指導する方法をとっていくという。

自身の国際経験と最新情報で中国選手を指導

  トレーニング中、選手たちは写真やビデオにその様子を収めるなどとても熱心で、真剣に取り組んでいた。中には、1日8時間のトレーニング後も夜中の2時ごろまで自主練習していた人もいたという。その姿を見て根津さんは、「情報と経験、そして器具の少なさは感じましたが、これからの中国は大きく変わり、アジアの中で日本と肩を並べる日もそう遠くはないでしょう」と語る。

  かつて日本は海外の技術を積極的に吸収して遂には世界の頂点に立った。中国が世界の技術に目を向けはじめたその第一歩に貢献した根津さんは、中国の成長を心待ちにしている。

 

 

(平成14年6月1日付け№321掲載)

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