Vol.44 釈迦の十大弟子優波離像のある寺(神奈川県鎌倉市・ 霊鷲山 感應院 極楽寺)

 

 キリストに十二使途がいたように、お釈迦さまにも「十大弟子」と呼ばれる弟子たちがいたことをご存知だろうか。
 十大弟子は生前のお釈迦さまに教えを直接受け、布教に貢献した弟子の代表といわれる仏弟子たちで、その一人に、釈迦族の理髪師だった優波離がいる。
 優波離は、カーストの最下位にありながら、釈迦族の王子たちよりも先に出家したことから、「早く出家した方が上位者」という、仏教の教えにならって王族よりも上位者となり、出身階級や貧富の差にとらわれないという当時としては革新的な考え方の見本となった人物。戒律を守り、精進したことは仏弟子のうちでも第一であったことから「持律第一の尊者」と呼ばれ、お釈迦さま入滅後の第一結集(経典編纂会議)では、律部門をまとめる中心人物となった。
 その優波離の姿は一部の寺院などで仏像として見られるが、神奈川県鎌倉市の極楽寺も十大弟子像を所蔵する寺院の一つ。
 極楽寺は1259年開基の古刹で、十大弟子像は1268年頃につくられたとされる。優波離像は高さ86cmの木製で、鎌倉時代特有の写実的なタッチで作られている。
 十大弟子像は普段は公開されていないが、4月7~9日、25~5月25日には、本尊、十大弟子像のある宝物館が開館される。

極楽寺の優波離像(写真提供:鎌倉国宝館)

 

 

極楽寺の山門。参道には見事な桜が咲き誇る

極楽寺
神奈川県鎌倉市極楽寺3-6-7
江ノ電「極楽寺」徒歩2分

(理楽TIMES H30.4.1 付No.511掲載)

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