「理容2018メッセージ全国大会」優勝作品

「繋げるバトン 五世代! 理容師!」

東海北陸協議会代表 (愛知県)  三浦 友紀枝

 

 

 私の祖父は、戦艦大和の水兵でした。「理容師」というだけで上官からは特別な待遇を受けこんなに良い職業はないと思い、自分の子供六人全員理容師に育てました。その一人でもある母に育てられた私、兄弟三人共理容師になりました。

 そして、私の子供三人も理容師になり、家庭を持ち夫婦で店を構えています。

 子供達は親の働く後ろ姿から、理容の仕事とはどういうものか! を感じとり、有名企業の仕事ではなく、活気のある店でお客様を相手に明るく楽しく仕事が出来る理容業を選んだと言っています。

 しかし、世の中はインターネットやSNSの普及など早いテンポで変化しています。気付けばお客様の年齢層にも変化が現れ、私の若い頃に比べ70代80代のお客様がグンと増えてきました。

 そうなんです。少子高齢化が既に始まっていたのです。

 TVの報道番組や政治の世界で取り上げられていた事が現実となっていたのです。

 2030年には三人に一人が高齢者になり少子化による労働者不足が起き、人手不足を解消する為にロボットや人工知能の開発が、めまぐるしく進んでいます。

 そんな時代に私達理容師は何をするべきか? どうすれば店の活気を失わないでいられるのか? を考えてみました。お客様は人である! という事から心に寄り添う仕事。

 高齢化が進み運転免許証を返上されたお客様には送迎サービスを! 病気の治療でストレスを抱えているお客様には癒しメニューの提案を!来店が困難になられたお客様には訪問理容を!

 お客様の身になり、お客様と同じ目線で物事を見られるように高齢化社会だからこそ、新たに私達が心しなければならないと考えました。

いくら時代が変わりロボットが人間のように働いても人にはなれません。人には心があるんです。お客様の心に届く温もりを与え、声かけをし、そういう仕事が大切だと考えました。

 戦艦大和に乗船していた祖父の時代から四世代に渡り続いた理容の仕事! いつの時代もどんな時も、心からお客様に向き合い働く事で繋がってきたのだと思っています。子供達と共に迎える次の時代に対しても、お客様に寄り添えてこそ信頼が広がり、店に活気が現れます。それを見て育つ孫達も私や娘と同じ思いを抱くと信じています。

 私の使命は営業戦略を持って働きながら未来を担う孫達に継承していく事です。

 そうなってこそ理容の未来も明るく輝き、私の孫達も理容師を目指すでしょう。

 この志を胸に私は歩みます。

 繋げよう理容という名の素晴らしいバトンを!

 続け! 五世代! 理容師!

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