池田ゆう

メンズファッションデザイナー。
(株)ゆうファッションスタジオ代表。
(社)日本メンズファッション協会理事長
(ベストドレッサー賞選考委員長)。
(社)日本プロゴルフ協会学術委員。
著書に『人は見かけによるのです。』(銀河出版)がある。

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髪が薄くてもかっこよく
見せられるスタイルがある
池田 今、若者たちを見ていると、髪の毛で顔を半分隠したり、逆に思いっきり髪を立たせたり、というヘアスタイルが目につきます。僕はあまり好きじゃないんですが……。
高橋 人間の“陰”と“陽”という二面性を表現しているヘアスタイルなんですが、単純に組み合わせただけだと美しくないんです。うまくハーモニーさせると美しくなるんですが、陰と陽というものは、人間の永遠のテーマですから、難しいですね。
池田 ファッションでも“陰”と“陽”を意識しますよ。ファッションには、自分の心に影響を与える陰の効果と、周りの人に対する印象をよくする陽の効果がありますから。今、団塊の世代の人たちが、その陽の効果を求めて、スーツからジーンズに替える、なんていう時代になってきました。彼らに対しては、どういう考え方を持っていますか。
高橋 理容師は専門のヘアという分野で、提案というよりは団塊の世代の人たちの相談にのってあげるべきだと思います。長年会社務めをしてきた人の多くは、おしゃれに対して浦島太郎状態になっていると思うんですよ。七三に分けていた髪を、いきなり立たせたら抵抗しますよ。
池田 髪が薄い方もいますからね。
高橋 「じゃあ、かぶせよう」なんてわけにはいかないですからね(笑)。
池田 ワハハッ。前から感じていたんですけど、髪が薄い人がかっよく見えるスタイルを、理容業界にはもっと発表してほしいんです。
高橋 そうですね。日本人の顔は欧米人と比べて凹凸が少なくて、こめかみも引っ込んでいます。単純にボウズにしてしまうと、猿みたいになっちゃうんです。そうではなくて、部分部分で微妙に長さを変えれば、同じボウズでも、明るく、かっこよく見えるんですよ。
池田 やっぱり髪が薄くなったら、短めのほうがいいですか。
高橋 隠すことはないですよ。薄い髪を生かすほうが、男っぽくて、かっこよくなります。
池田 今、お互いに楽しんでいますけど、ヒゲというのも大事にしたい大人のおしゃれですよね。
高橋 そうですね。お客さまは意外と私のおしゃれを参考にしているものなんですよね。例えば、私が髪を染めると、ヘアカラーを注文されるお客さまが増えます。私はお客さまのおしゃれのお手本になりたいな、と思います。
池田 そうすると、団塊の世代のお客さまをターゲットにして成功するためには、理容師さんも団塊に近い年代の人のほうがいいのでしょうか。若いスタッフでは難しいですかね。
高橋 若い理容師は、ショーン・コネリーでもジローラモでもいいですから、素敵だなと思える大人像を持っていればいいと思いますね。