Vol.9 谷口高司さん(東京都)~趣味転じてイラストレーターに

 

 東京杉並の善福寺で理容業を営む谷口高司さん(56歳)は、今や野鳥を描かせたら日本国内で右に出るものはいないと言われるほどのイラストレーターだ。

 仕事は理容業を5日間、イラストレーター業を2日間という比率だが、イラストレーター業が忙しくなるとその比率はしばしば崩れるそうだ。谷口さんにイラストレーターにまつわる話を聞いた。

 始まりは、大学生時代。昆虫観察が好きで中でも特に「蛾」を熱心に観察していた。そして蛾を見ているうち蛾を餌として鳥が集まり、次第に虫から野鳥の観察に興味が移る。この時、観察しても鳥名を調べられる手軽な図鑑がないことを痛感、そこで入会している「日本野鳥の会」と協力して「山野の鳥」「水辺の鳥」というハンドブックを刊行。同書は130万部が売れるロングセラーとなる。

 その後、日本国内の数々の図鑑やガイドブックなどの野鳥の絵を描き、その実績が認められ、やがてアジア(韓国・台湾・インドなど)へと活躍の場が広がる。そして、94年アジアの水鳥図鑑の絵が米国スミソニアン自然博物館の故D・S・リプレイ博士の目にとまり、同氏著、同館刊行の「インド亜大陸の鳥類」の一部執筆の指名依頼を受け、一躍イラストレーターとして脚光を浴びる。

 野鳥観察からイラストレーターへ、さらに今は自然保護活動へと世界が変わっていると熱く語る谷口さんであった。

谷口さんのイラスト作品

(平成15年6月1日付け№333掲載)

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