Vol.8 日常のアートの可能性を追究 「ひびのこづえの品品 たしひきのあんばい」 茨城県水戸市 水戸芸術館

 

ヘア雑誌の表紙用に手がけた衣裳がならぶ「迎えの間」。モデルが身に着けた写真とともに展示するのも新たな取組み


 これってなんでこんな形なんだろう。こんなのがあったら良いのに・・・なんてことありませんか――茨城県水戸市の水戸芸術館では、コスチュームアーティストとして20年のキャリアを持つひびのこづえさんが、「ならば自分で作っちゃおう」と創作した家具や衣服などをあつめた「ひびのこづえの品品 たしひきのあんばい」を開催している。 

 この展覧会は、ひびのさんが手がけてきた衣裳などとともに、新たにデザインに挑戦した「家具」などを発表するもので、会場を一軒の家に見立てて生活のすべてをプロデュースする。

  ヘア雑誌の表紙用に創作した衣裳がならぶ「迎えの間」から、折りたたみソファー、トランクテーブルなどの家具がならぶ居間、風呂場+寝室にいたるまで、さまざまな生活シーンを提案しており、それぞれの品には、ひびのさんの作品性を残しながらも「あったらいいな」と思わせる機能性、使い勝手のよさを兼ね備えた、自然体の心地よさ、肩肘を張らないかっこよさという価値観が表現されている。

  作品が「作品」としてだけでなく「商品」という意味を持っていることも特徴のひとつ。一部を除く作品を販売するという新たな取組みを通して、「アート」は敷居の高いものではなく、使うためのものづくりであり、生活の中にあるべきものという、ひびのさんの想いを形にしている。

  ライフスタイルとアート、ライフスタイルとファッション、ヘアスタイル・・・、それら切り離せないものの「いいあんばい」とは何なのか、この展覧会で考えてみては。10月14日まで。

日常と非日常のバランスを感じてほしいと語るひびのこづえさん

●「ひびのこづえの品品 たしひきのあんばい」
 会 期/8月18日~10月14日
 開 館/9:30~18:00(月曜休館)
 会 場/水戸芸術館現代美術ギャラリー
住 所/茨城県水戸市五軒町1-6-8
 ℡029-227-8111
交 通/JR常磐線「水戸」より徒歩20分
入場料/800円 

 



(『理楽TIMES』 平成19年9月1日付けNo.384掲載)

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