Vol.77 理容師であり切り絵作家 中村学さん(滋賀県)

 

 創っている途中はよくわからないけれど、最後に輪郭が見えて一気に完成する、切り絵のスピード感、わくわく感を面白いと感じたのがはじまりでした」と語るのは、切り絵作家としても活躍する理容師、中村学さん。

 地元、滋賀県甲賀市の水口曳山祭を題材にした切り絵がきっかけで個展を開くようになり、現在では小・中学校などで切り絵教室を開くなど、講師としても活躍している。

「技術的なことを教えるのであれば、美術の先生の方が向いているので、私が講師になる意味を考えると、理容師と二足の草鞋で取り組んでいるということだと思います。取材を受けたり、講師になったりというのは、理容師として働くだけでは、なかなか体験できませんが、好きなこと、趣味をやり続けることで、新たな世界が開かれる。好きなことを仕事にしなくても、追い続けると、人生が華やかになるという生き方を伝えたいです」と中村さん。

 近年では、水口曳山祭の作品創りにひと区切り付いたことから、動植物モチーフの作品創りに取り組んでおり、自然環境の現状を訴える個展や教室を開催。休日は動物園や植物園に入り浸る日々なのだとか。家族の理解と理容の仕事に感謝ですと笑顔を見せた。

自らの作品を手にする中村さん


中村さんの作品。ポストカードとして販売している(売り上げの一部は寄付)

(理楽TIMES H31.2.1No.521掲載)

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