Vol.64 伝説の力士に捧げる相撲甚句 木村宣行さん(長野県)

  「アードスコイ、ドスコイ…」。扇子を手に、朗々とした声で甚句と呼ばれる民謡を歌い上げるのは、長野県東御市の木村宣行さん。

  幼少期から、地元が輩出した江戸時代の大力士・雷電為右衛門に憧れて相撲が大好きだったという木村さんは、休日を利用して高砂部屋の「床山」(力士のまげを結う仕事)を務めたり、力士と個人的に交流を深めたり、相撲とのつながりを持ち続けてきたが、20年ほど前からは東御市の相撲甚句同好会に加わり、その歌声で相撲の魅力を伝えている。

相撲甚句は、力士や好角家が自身で作った甚句を「ドスコイ」「ホイ」といった相撲独自の合いの手に合わせて歌うというもので、合いの手が作り出す独特の雰囲気や作詞の楽しさなどが魅力。

甚句発表用の法被を着た木村さん

  木村さんは雷電為右衛門の功績を称えたいとの思いから歌い始め、今では地域の催しなどでも甚句を披露するまでになり、毎月行われる練習会では、5~6人の仲間たちと高らかに歌い上げ、ストレス発散にもなっているようだ。

  「気軽に楽しく始められるのが相撲甚句の魅力の一つです。70歳を過ぎた私ですが、座右の銘である『生涯現役』を忘れずに句を歌い続けて、相撲の世界に興味を持つ人を増やせたらいいですね」と、相撲甚句に益々情熱を燃やしている。
甚句が書かれた扇子。社会風刺など、内容は比較的自由とのこと。

(理楽TIMES H26.3.1付けNo.462掲載)

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