Vol.63 祇園祭の「理髪の儀」50年 土倉基代治さん(京都府)

 毎年、7月1日から1カ月間、京都市の市街地で開催される祇園祭。千年以上の長い歴史を持つこの祭では、生き神様とされる「お稚児さん」と「禿(かむろ)」と呼ばれる2人の補佐役の子どもが選ばれ、多くの儀式に臨みながら、祭の無事・成功を祈願する。

  その儀式の一つである「理髪の儀」は、祭りの前日と期間中に子どもたちを決まった髪型にカットするというもの。理髪の儀でお稚児さんのカットを担当するのは、京都市の理容師・土倉基代治さんだ。およそ半世紀にわたって関わり続けているという。

「理髪の儀」を終えた子どもたちと理容師の皆さん(後列左が土倉さん)
  お稚児さんと禿になる子どもたちは、前髪は眉上3センチで切り揃えられ、後頭部の襟足の中心は「うろこ」と呼ばれる三角形の髪型にカットされる。うろこにすることで、舞妓さんのように首筋を美しく見せることができるのだという。
独特な三角形「うろこ」にカットされる襟足。
「理髪の儀」は計4回行われる

  理髪の儀を終えた、お稚児さん役の白井大督君は「さっぱりして気持ちいい」と語りながら、禿役の子どもたちとお互いの頭を撫で合った。

  祇園祭と縁深い地域で理容室を営む土倉さん。近隣の住民に推薦されたことから、理髪の儀に携わることとなった。85歳となった現在でも、子どもの髪にハサミを入れる際は緊張するというが「禿の散髪をしてくださる理容師の皆さんとの出会いも、地域のつながりがあってこそ。私がサロンに立つ機会は減りましたが、理髪の儀という素晴らしい伝統を次の世代に伝えていきたいですね」と語った。

(理楽TIMES H25.9.1付けNo.456掲載)

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