Vol.42 理容師であり、野球選手――独立リーグから12球団入りを目指す 木ノ内正樹さん(新潟県)

木ノ内正樹さん

 四国・九州アイランドリーグ、ベースボール・チャレンジ・リーグがスタートし、活発化し始めた日本の野球・独立リーグ。その中のチーム・新潟アルビレックス・ベースボール・クラブに理容師の木ノ内正樹さんが在籍している。

  小学生のときに野球を始めたという木ノ内さんは、中学、高校と野球部に在籍。理容学校生時代、実家の理容店に就業後も、地元のクラブチームに所属して野球を続けてきた。当時はプロを意識していなかったが、クラブチーム時代に出場した日本選手権の予選で、木ノ内さんの打った打球が場外まで飛んでいく超特大ホームランとなったことから、「プロでやってみたい」と意識するようになったという。そんなとき、北信越ベースボール・チャレンジ・リーグ構想が明らかになり、入団テストに合格して、独立リーグからプロ野球を目指すこととなった。

 シーズン中は、骨折や肉離れなどのケガに泣かされ、72試合中20試合の出場だったが、公式戦初出場となった7月7日の試合では、4打数3安打の猛打賞を記録したほか、シーズン終盤では5番バッターを任されるなどの活躍を見せており、来シーズンが期待される注目選手となっている。

  昨シーズンの故障を教訓に、今回のシーズンオフはトレーナーについて、神奈川県で身体づくりを行っているが、通常のオフは実家を手伝いながらトレーニングに励んでおり、寮生活となるシーズン中も監督や選手のカットを行うなど、野球とともに理容のトレーニングも怠らない木ノ内さん。

  「家族から、”若いうちにやりたいことをやっておきなさい”と言われるんですけれど、その言葉に甘えて、今は次のドラフトにかかるように頑張りたいです。野球人生の次には、理容師として高い目標に挑戦したいです」と、さわやかに話してくれた。

アルビレックスのユニフォーム姿で。背番号は36番

(『理楽TIMES』H.20.1.1付け№388掲載)

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