Vol.30 庶民の視点で社会を切り取る詩人 日高 滋 さん(京都府)

  映画村で有名な京都・太秦の地に、「理容・ペキ」を構えて39年になる日高滋さんは、71歳の現役理容師であると同時に、現代詩人としての顔を併せもつ。

  高校時代、夢中で図書館に通う中で詩に対する興味を抱き、仲間と文芸部を立ち上げ、詩集を出すようになったという日高さんが、現代詩を選択したのは「新しいものが好き」、「創作上の制約がない」といった理由からだそうだ。

  高校卒業後は理容の道に進むが、それ以降も創作活動を続け、これまでに7冊の詩集を世に送り出してきた。

  作品の最大の特徴は、現代詩ではあまり採り上げられない現実生活、その未知なる領域に着目し、庶民の視点で社会を切り取る点にある。

  1983年には理容のメニューがテーマとなった詩『床屋のメニュー』を出版、その中の「剃髪」が第3回東京出版全国現代詩大会の大会賞を受賞するなど、日高さんの作品は高い評価を得ている。加えて、現代詩界をリードする日本現代詩人会や日本詩人クラブの理事長をつとめる方が、日高さんの詩集の解説を書いているのを見ても、その実力をうかがい知ることができるだろう。

  『理容』と『詩』の共通点を「無駄を省くカットが極めて重要なこと」と語る日高さん。今後も、庶民の視点で社会を切り取り、理容についても大いにアピールしてほしい。

(平成17年9月1日付けNo.360掲載)

Translate »
ツールバーへスキップ