Vol.28 山で暮らす人々のための移動理容店 森林鉄道記念館(長野県)

 

 「入り口の左に流しがありまして、髪を切ったらそこでザブッとやるんです」と語るのは、長野県王滝村の三浦幸二さん。木曽谷で長年林業に携わってきた地元林業の生き字引だ。
 三浦さんが語っているのは「理髪車」について。木材や人員の運搬用に伐採地と街を結んでいた木曽森林鉄道(現在は一部区間のみ運行)に牽かれていた移動理容店で、長野県木曽郡上松町の森林鉄道記念館に展示されている。
 この車両は、伐採等で何日も山中の合宿所で寝泊りする人々のために、月に数日ずつ伐採地近くの集落へと運行していたもので、営林署の職員兼理容師の牧野さんが乗車し、延べ2万人もの方の髪を切ったのだという。

三浦幸二さん
理髪車の外観



特別に撮影させていただいた内部。
鏡1面とホーロー製の椅子1脚、スチーマー、流しがある

下原洋子さん

 現在、牧野さんのご息女の下原洋子さんが森林鉄道記念館のある赤沢自然休養林のセラピー体験館でガイドをしており、運がよければ下原さんに当時の話を聞くことも可能だ。
 森林浴発祥の地・赤沢自然休養林で健康になりながら、往時の理容と山で働く男たちの姿にふれてみてはいかがだろう。

 

  森林鉄道記念館
  住所/長野県木曽郡上松町小川入国有林
  営業期間/4月下旬~11月上旬
       9:00~16:00
  入場料/無料

(理楽TIMES H24.9.1付 No.444掲載)

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