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理容業界・美容業界の垣根問題や業務独占は規制改革の議論の中で、業界が適切に対応しなければ今後現状維持が難しくなる可能性もなしとしない。理容業界が今後この問題にどう対応して行くべきかは、理容業界の盛衰を決する業界戦略上最も重要な検討課題である。全国理容総合研究所は、この問題に関し、理容業界内部での議論を活発に行い、コンセンサスを得るために、この提言書で一つの考え方を提示するものである。
1. 規制改革・垣根問題の動向
(1)垣根の低下を推進する力
@ 消費者ニーズ
消費者から見ると、理容店・美容院のいずれを選択するかは自由である。しかし理容師・美容師の施術(技術)の区別が付かず、大半の理容店が美容院からの差別化を図れていない。これは理容師の施術が正当に評価されていないためであり、このため例えば若い男性が美容院に流れる現象が広く見られる。
A グローバルスタンダードを梃子とした政府の圧力
国は規制改革を行う場合、グローバルスタンダード(世界標準)を国内にも適用しようとすることが多い。欧米・アジアを含め、理容と美容は一体化している国が多く、外国と違う制度を維持するには正当な根拠が必要になる。
B 理容・美容業界の大手の動向
中堅以上の店舗では理容店で美容院と変わらないサービス内容・雰囲気の所が増えており、既に事実として垣根は低下しているとの見方もある。
C 理容師数の減少と理容所の維持の困難化
理容学校の入学者、国家試験合格者数の減少に伴い、理容師の確保難から全国の理容所の経営維持が難しくなり(従業員を雇用する店)、又は後継者が現れないという現象が顕著になっている。QBネットや日本フランチャイズチェーン協会の特区申請問題も同様の事情を背景にしている。この結果、現状を放置すれば理容所数が減少し、美容所数との格差が拡大することが予想される。
(2)構造改革特区申請による規制緩和
QBネットや日本フランチャイズチェーン協会から申請された規制改革特区は、現時点では認定されていない。しかし、今後も理美容師混在等の申請は行われる可能性があり、予断を許さない。
(3)規制改革・民間開放推進会議による規制緩和
理容・美容業界は規制緩和リストからはずされた。しかし、再び規制改革の要求が出てくる可能性がある。