【人物篇】

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 フランク・オドール〜日本で逆剃りの味をおぼえたアメリカ人

イラスト 昭和26年11月18日、3回目の訪日となった日本で人気を高めたアメリカの野球監督のフランク・オドールを招いての座談会が催された。場所は、目黒雅叙園(東京)の観光ホテルだった。
 「日本の人は、手先が器用だから、技術の点は一般的に良いですね。設備面では、アメリカの理容業者は使用材料一切、米国品の供給を受けている関係上、劣るところがないが、市中一般の営業者のことは余り知らない。
 アメリカでは、ブラッシュを余り使わないが、使っても、一人の客に使用したら必ず規定の消毒を済ませてから使う」
 日本の理容技術は非常にうまい、と感想を語ったオドール監督のエピソードが残っている。
 オドール監督は、来日すると主として帝国ホテル内の理容室を利用していた。ご自慢のレーザーケースをもっていて、ケースの中には1週間分のレーザーが保管されていた。これを毎日、替えて使用した。ひげの濃いシェービングに上手なレーザー使用法であるとご自慢なのだ。
 外国人は顔剃りに逆剃りはしないものだが、オドール監督は日本に来たおかげで、理容室にいっても逆剃りさせると話した。
 なんでも、富山に遠征したとき、金沢市(石川県)の理容室で、顔剃りをして逆剃りの味をおぼえた。だから、「金沢の理容師は上手……」と繰り返していた。
 また、日本とハワイの理容料金も比較されている。(1ドル360円=昭和26年)
 ・ カッティング=1ドル
 ・ シェービング=1ドル
 ・ シャンプー=1ドル50セント
 当時、東京の理容料金は100円だった。