レディスシェービング

サロンの特徴を活かしたメニューづくりを考えましょう

 理容だからこそできる特技を活かした、女性のための「レディスシェービング」です。
 テーマは「癒し・寛ぎ・美肌を売る!」です。そのためには空間、メニュー、店内インテリア、時間設定、備品、そして接客にこだわりましょう。
 特別欲しいものがないこの時代に、女性たちが求めているのは癒しやストレス解消の問題を解決するようなメニューです。

  参考例としては、
 *子育てママのハッピーアワー(水・木・金の12時~4時)
  子供たちはキッズルームで遊びながら、ママはエステシェーブでリラックス
 *「癒し」のプレゼントギフトチケット(1枚1000円程度)
 などです。

 そして、「いつまでも若く美しくありたい」という、美容と健康への願いは年々強くなってきています。
 優雅な気分+リラクゼーション+美肌。今、女性は日常生活よりもワンランク上の雰囲気の中で時間を過ごしたいのです。
 特に、30代~40代の女性は、価値観は男性と違い上昇志向にあります。このような背景を考えると、お客様にご提供するメニューは細分化したものがよいでしょう。

女性の心をつかむ環境づくりを

 どれだけの満足が売れるか。どれだけの空間が売れるか。ここがポイントになります。項目別に分けてみると、

  * レディスシェービング
   従来の婦人顔剃りとの違いは雰囲気。エステシェービング、特に「エステ」にこだわったメニュー化が重要な部分になります。
  * お客様に分かりやすく、親切に、内容を細かく
   技術内容・効果、時間、料金などを明確に提示する。
  * その日の気分で選べるメニュー
   気軽にできる、ちょっとだけのメニュー。短時間でできる。
  * 目的に合わせたメニュー
   リラックス、ブライダル、美肌、パーティーなど。
  * 豊富な品揃え(細分化したメニュー)
   フェイシャル、パック、バック、ネック&ショルダー、ハンド、ネイル、フットなど。
  * やってみたいという意識にさせるPOP
  * NEWメニュー(季節、イベントなど)を常に発信し続ける
  * 女性が来店しやすい工夫と配慮
   店外= 観葉植物、カラー、レイアウト、女性の写真、イメージビデオ、フラッグ、料金表示、ウィンドウの活用
   店内= BGM、接客、料金表示、親切なメニュー、パーテーション(カーテン)、女性用化粧品の準備、予約制の導入、
       サンプルやパンフレット配布、POP、DM(シーズン、イベントなど)
  * 料金設定
   基本的に10分1000円といわれてきましたが、これまでと同じにならないよう企業努力しましょう。
   価格=価値+時間と考えましょう。

などの工夫や配慮が必要でしょう。
 これらをサロンの環境に合わせてオリジナルなサロンづくり、メニューづくりに取り組んでみましょう。

お客さまには常にVIP待遇で応対

 もうひとつ大切なことは、来店されたお客さまの記録を必ずとることです。
 カウンセリング・シートを提示し、目的、肌質、会話、使用化粧品などを確認・チェックして、お客さまとの信頼と安心を得ていただきます。
 また、お客さまの記録をとることで、その人に最も適切なサービス提供が行えることになり、サロンにとってのメリットにも大きなものがあります。
 以上のように、レディスシェービングは女性客獲得の大切なテーマにしていきたいものです。

 それでは、レディスシェービングの一例を見てみましょう。技術・解説は全理連中央講師会フェイシャル部会にお願いしました。

【ポイントメイク・クレンジング】
①~② リップメイク・クレンジング、アイメイクのクレンジング等、濃い色から拭き取ります。コットンを濡らし、軽くクレンジングをつけて落としますが、コットンはこまめに変えます。
マスカラはアイパットを当てて、綿棒で取ります。目の周りはソフトにタッチします。

【クレンジング】

③~④ ベースクレンジングは皮膚面の脂や汚れを落とし、全体にクレンジングクリームを伸ばします。
頬→額→鼻→目と、広い部分からすべらすようにクレンジングします。最後に、目の際など細かい部分を拭き取ります。

【スポンジ拭き取り】 【スチームタオル拭き取り】
⑤ 力を入れすぎないで、細部(鼻の脇、目の際、耳下等)もしっかりスポンジで拭き取ります。

⑥ 皮膚を温め、水分を与え、拭き取りを行います。リラクゼーションを担う大切なステップです。タオルを顔に密着させ、空気が入らないようにします。(早くさめてしまうことを防ぐため)

技術のポイントは、肘を直角に張り、手首の力を抜いて腕と身体を使って行います。(腕が下がると指先に力が入るので注意します)タオルの温度は40~45度くらいが適温です。

【シェービング(留意点)】
 → シェービング例
⑦ シェービングの前には、スチーミングで皮膚を柔らかくしておきましょう。ソープも肌質をチェックし、刺激のないものを工夫して使用します。ラザーブラシについても、毛質をチェックし、女性のデリケートな肌に合ったものを選びます。
エステシェービングとの組み合わせなので、ポイント(シェーブかエステか)をどちらかに置き、やりすぎて皮膚に負担をかけないように注意します。
細部こそプロの腕の見せどころです。特にお客様がご自分で剃れない部分(耳、眉、目の周り、鼻等)については、プロならではのテクニックを発揮しましょう。
【拭き取り】 【マッサージクリーム(オイル)塗布】
⑧ この部分では、もう一度スチームタオルで拭き取ることにより、皮膚を温め、血流をよくし、マッサージクリーム(オイル)の伸びをよくします。
スチーミングするときは、スポンジ拭き取りでも結構です。
⑨  マッサージクリームまたはオイルは季節や肌質(オイリー肌、乾燥肌、敏感肌等)に合ったものを選びます。分量は大体、親指の先くらいで、皮膚になじませるように塗布します。一定のリズムで流れるように塗布します。
【軽擦1】
⑩&図1 最もよく使われるテクニックで、マッサージ前の皮膚を整え、血液の流れをよくします。ポイントは、軽く擦る、なでるの流れで、一定のリズムでゆったりと行うことです。
【軽擦2】

⑪&図2 本格的マッサージで血液の循環をよくします。軽擦1に比べて、より細部まで行います。
額を交互に引いた後、顎の中心から耳の付け根に向かって引きます。
両頬に手のひらを置き、外回しします。額を交互に引いた後、顎の中心から耳の付け根に向かって引きます。

【強擦】

⑫&図3 皮膚の新陳代謝をよくし、皮膚を柔らかくします。強擦では、軽擦よりもさらに細部にわたるように意識して行います。
洗顔の時の力具合で、首を除く顎、額、頬に行います。顎の中心から左、中心に戻り、右へと進めていきます。

【皮膚揉撚1】 【皮膚揉撚2】

⑬&図4  両手の指先(広いところは中指と薬指で、狭いところは中指だけで)を交互に交差させ、両手での字を書くように行います。
額から左頬をとおり顎先まで、元に戻って右側も同様に行います。指先だけで動かさず、肘を張り、指の関節動かします。

図5 血液やリンパの流れをよくします。また、脂肪や血液を分散させ、老化防止、ニキビ対応に効果的です。額から側頸部まで外回しに行います。
【圧迫法】

⑭~⑮&図6 筋肉内の毛細血管の流通をよくします。弾力(ハリ)の維持に効果的です。身体の重心が前にかかるように行うことがポイントです。
目頭(清明)より目尻(瞳子りょう)まで圧迫します。最後にこめかみを圧迫し、神経に刺激を与えます。

⑯~⑰&図6 耳下腺、咬筋部に四指を残し、拇指だけ下眼瞼を圧迫します。
【タッピング(打法)】
⑱&図7 血流がよくなり、皮膚が活性化します。額のような骨格の部分は指先に力を入れて行い、頬のような筋肉質の部分は打ち擦るようにタッピングします。
手首を回転させて、皮膚を弾くようにたたくのがポイントです。頬や顎のたるみを防止します。
【頸部圧迫法】
⑲&図8 血液、リンパの流れを促進します。顎から頸部にかけて圧迫することにより、二重顎、肩こり、老化防止、ストレス解消に効果があります。
後頸部、側頸部圧迫については、余分な力を入れすぎないように注意します。
【軽擦1】 【スポンジ拭き取り】 【スチームタオル拭き取り】
⑳ ゆっくりと軽擦1で終了します。 ㉑ スポンジによる清拭です。(2枚重ねてもよい) ㉒ スチームタオルによる清拭です。
【パック】
㉓~㉔ 皮膚と目的に合ったパック剤を選びます。種類としては、洗浄、脱脂効果のあるもの、温湿効果のあるもの、鎮静効果のあるものがあります。なお、敏感肌、ニキビ肌にパックは刺激が強すぎ、悪化の恐れがありますので、肌や健康状態に注意して行います。心地よさとリラクゼーションを感じさせる塗布方法は、パック剤の目的と種類によりますが、特別なパック剤でなければ8~10分程度のタイムがよいでしょう。
最後に、パック剤が残らないようしっかりと拭き取ります。
【ローション塗布】 【お帰りメイク】
㉕ 敏感になった皮膚を安定させるため、スキンローションをたっぷりコットンに含ませ、パッティングします。(引き締め効果)
その後、乳液等を塗布します。最後に、余分な乳液やクリームを取るため、ガーゼやティシュペーパーで軽くおさえます。
㉖ さまざまな刺激で、皮膚は敏感になっていますので、厚化粧は避けましょう。エステの後のメイクはポイント程度にし、眉を整えて、リップグロスをのせる程度にします。

 

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