バーバー吉野

(作品紹介)
  「男の子は全員同じ髪型にしなければならない」という不思議な規律をもつ田舎町を舞台に、初恋、親や教師への反抗心、秘密基地、性への目覚め、大人になるということ…誰もが通過する、ほろ苦い心の成長をユーモラスに描いた、切なくやさしいものがたり。ガラス細工のように繊細な大人への移行時間を画面に焼きつけた、和製「スタンド・バイ・ミー」ともいえる作品。
  国内の映画賞はもとより、ベルリン国際映画祭の児童映画部門でスペシャルメンション(特別作品)に選ばれるなど国際的にも評価されている。発売元:PFFパートナーズ製作・2003年・カラー96分

(ストーリー)
  自然の美しい小さな田舎町。「男の子は天狗にさらわれる」という言い伝えから、小学生の男子は皆、町に一軒しかない理容店「バーバー吉野」のおばちゃん(もたいまさこ)が刈る『吉野ガリ』という髪型にするのが、100年以上も続く風習となっていた。
  同じ髪型にするのをまったく疑問に思わなかった子供たち。ところが、ある日、東京からのジャニーズ系転校生の今風の髪型に心が騒ぐ。少しずつ何かが変わり、そして事態は一変していく。

(理容店の風景)
  昭和30年から40年代の理容店を彷彿とさせる店頭には、「理容 バーバー吉野」と書かれた大きな看板とスタンド式のサインポールが廻っている。
  店内には、クラシックな赤い理容椅子が2台あり、吉野のおばちゃんが一人で店を切り盛りしている。
  入口の右手の客待ちにはマンガや雑誌が置かれ、学校帰りの子供たちや町の人たちのたまり場になっている。吉野のおばちゃんは、口うるさいが仕事は丁寧で、町の人からの信頼も厚い。子供たちにおやつをくれたりと、町の人たちに頼りにされる存在だ。
  余談だが、主演のもたいさんが中央校で技術指導を受けたり、店内外にかかっているチョキちゃんの理容組合員章やSマーク看板、ポスターなどは全理連から貸し出すなど、作品製作には全理連、中央校も協力している。

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