髪結いの亭主

 (作品紹介)
  人は欲望や刺激に取りつかれて、本来の純粋な愛を忘れてしまったのか?そんなテーマをやんわりと投げかけていて、ちょっと気になるフランス映画である。発売元:アミューズピクチャーズ㈱・1990年作品・カラー86分

(ストーリー)
  近所の理容店にいたちょっと色香のある未亡人に髪を切ってもらうのを楽しみにしていた少年時代が原体験となり、将来“髪結い”の奥さんをもらうことだけを考えていた主人公・アントワーヌは、中年にさしかかった頃ようやくその夢を実現する。妻の理容師マチルドは、優しくて綺麗で、アントワーヌは念願の妻を娶ったことに満足し、幸せな日々を送っていた。そして10年間、二人の愛はなにごともなく静かに過ぎていくが…。

(理容店の風景)
  店内の静けさに響き渡るカシャカシャと髪を滑るハサミの音、髪をすすぐ水の音、ローションの匂い、そして柔らかな指の感触…。主人公は何もせず、ただうっとりと客の髪を切る妻を見て過ごす毎日。
  独特なアラブの踊りと音楽、ヒロインの匂い立つような魅力がこの映画の個性を際立たせている。店内の音、光、色彩など映画での描写方法が素晴らしい。

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